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エンガディンの旅その7(7/19 ミラノへ)

旅に出て一週間、いまだ時差ボケ状態でこの朝も早々に目がさめた。
ホテルの朝食は8時からとちょっとゆっくりめ。まあ、こんな所で早朝出発という人もいないのだろう。
そんなわけで、朝食前の散歩に。

昨日行かなかった、村の東側の路に入ってみる。ヴィコソプラノやシュタンパへと続く路だ。すぐに家並みは切れ、牧草地の小道となる。
朝日に輝くピッツ・バディレの眺め(北東壁なら朝日があたるはず)を楽しみにしていたのだが、どうも昨日よりはだいぶ雲がからんでいる。山岳写真家ならこういう条件こそ傑作をものするのかもしれないが、凡人はもう少しすっきり晴れて欲しかった。今日もいい天気、ぜいたくな話だが。

ソーリオの村を振り返ると、まだ朝日は届かない。高台のテラスのような場所にあるこの村は谷底の町よりもずっと日照に恵まれた位置のはずだが、山の影のおかげで朝の訪れは遅れるらしい。

小道は牧草地から森の中へと入って行く。木々の間からはるか谷底にプロモントーニョの街並が見えた。
この先アップダウンのある山道になりそうなので、朝の散歩の僕達はさっさと引き返す。
そういえばソーリオは栗の村としても有名、自然に生えているのではなく、果樹?として植えているらしいのだが、栗の木らしいのはさっぱり見えない。どうも和栗とはだいぶ種類が違うらしい。そもそもマロンというのはマロニエ、トチノキの実つまりトチノミであって、栗とはまったく異なるものらしい。ところがそれとは別にいわゆる西洋栗、つまり和栗の近親種もあるらしいのでややこしい。トチノミはやはりあくぬきなどの加工が面倒なのであまり使われないらしい。あたりを見渡してなにやら実をつけている木を見てこれか?などと言っていたのだが、どうも和栗の木ともトチノキともあまり似ていなかったような木がする。いや気がする。

村はずれのベンチに腰掛けてしばし朝日が村を照らしていくのを眺めていた。昨日の日中とは違ってほとんど人影もない、やはり静かな山の村だ。村で暮らす人が朝の仕事を始めているのがちらほら。
さて、太陽はようやく教会の塔まで来た。そろそろ朝飯の食べられる時間、ホテルに戻ろう。すれ違う村の人がボンジョルノと言ってくれる。

さて朝食も済んだし、今日はもうソーリオでハイキングという予定もないので、さくっと荷物をまとめてチェックアウト。ホテルのマダムは結構派手な感じだが大変愛想が良い。また来て下さい、と言ってた(はずだ)。
ヨメサンがお土産にソーリオ・プロダクトを買って行くというので、店に寄るが開店は遅そう。別の雑貨屋風の店(日本語の看板も少々)でちょっと買い物。さらに別の食料品店で僕は地図を購入。次にバディレを登る時のためにSwisstopoのSciora 1:25000を。(もちろん、もう来れないとは思うが。でもバディレの北稜も有名な岩のルートらしい。バットレス4尾根のでかい奴?これぐらいならガイドに引っ張ってもらえばまだ何とかなるかも・・)

黄色いポストバスが時間よりちょっと遅れて、アルプホルンを鳴らしながら山を登ってきた。これに乗ればソーリオ、そしてアルプスとお別れだ。

昨日と同じプロモントーニョでバスを乗り換え、キアヴェンナへ。ちなみにバス代はソーリオからSFr9.80だった。昨日のバス代に比べると安い気がするが、そもそもそれだけイタリアに近い地域ということか。カスタセーニャに国境の検問所があり、ピストル持った人がバスの乗り込んできて外人(つまり僕達みたいなの)のパスポートをチェックする。

上の写真はキアヴェンナ駅の昔の駅舎らしい。今の駅はもうちょっと大きい。そんなにきれいじゃないけど(ああ、イタリアだ)。

キアヴェンナはまだまだ山の町。まわりを囲む山もまだまだ険しい表情を残しているが、日射しの暑さ町の賑わいにイタリアを感じる。(何となく、ね)
それにしても、大荷物持って駅でうろうろしてると、聞きもしないのに駅員のおじさんや隣の乗客が「ミラノ行きは3番線、向うのホームへ行け、何時何分発車」などと教えてくれる。イタリア人は本質的に親切なのかもしれない。そういえば最初にミラノの駅に着いた時もいろいろ教えてくれる人がいたが、悪い人の噂を聞いてたので無視してしまった。ただの親切な人だったのかもね。ごめんねイタリア人よ。(まあでも悪い人もいるらしいから、自己責任で信用してください、皆さん)

コーリコでみんなの後にくっついて乗り換え。よくわからず乗り込んだ電車はミラノ直通。運賃はキアヴェンナから13ユーロ少々だから安いもの。でもシートに落書きしてあるし、冷房の効きが悪くてちょと暑い。
まあそこは美しいコモ湖でも眺めて。2時間半ほどの列車の旅。

ミラノ、有名なドゥオーモの近くの有名なヴィットリオ・エマヌエーレII世のガッレリアであります。とにかく人が多いのと何より暑いのであります。ソーリオから来た僕らにはかなりのギャップであります。

さてこの後2日半ほど猛暑のミラノで焼けこげた我々二人なのですが、それはまた別のお話。エンガディンの旅のお話はおしまい、長々読んでくださった方、ありがとうございました。


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