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2020年2月13-18日 雪待人たち/ニセコモイワスキー場

昨年に続いてY野先輩とニセコ・スキー合宿。昨年は4泊5日だったが、今年は「5泊にしよう!」とのこと、もちろん、毎日がエブリデイの僕としては異存なし。ただ、身体が持つかどうか。。
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day1
新千歳からニセコに行くホワイトライナーは、最初にヒラフのスキーセンターで大量の客を降ろし、その後ヴィレッジ、アンヌプリと回って、モイワ近くの昆布温泉ホテル甘露の森に着く。ヒラフからさらに1時間近くかかることになる。

今年もお世話になるのはモイワスキー場ゲレンデすぐ下のロッジ・ウッドペッカーズ。
すでに午後2時を回り、長旅の疲れもあって今日はどうします?滑る?ということだったが、、
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結局はちょっとだけでも滑ろうということになり、ゲレンデに出る。
ニセコも雪が少ないのは本州のスキー場と変わらない。バスの車窓からも道路脇の樹林の下に笹が露出しているのが見えた。しかもここしばらく新雪には恵まれていないのだそうだ。

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この日は気温も高く、ゲレンデは春スキーのような状態だったが、圧雪してあるところは整備も良く、初日の足慣らしとしては丁度良かった。
適当に引き上げて、甘露の温泉に行ってからサッポロ・クラシックを飲む!

day2
残念ながら夜間の降雪もなし。今日も天気は良い!
ということで、昨年に続いてイワオヌプリ目指して出かける。
去年は2回登ったイワオヌプリ、その時には山にはまだパウダーが保存されていたせいか、この完全なBCエリアでも結構な人出だった。ことしは山も春雪状態というせいか、ぐっと人が少ない。
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先行パーティはイワオヌプリ東面の急斜面にジグザグを切っているが、昨年の経験上たいへんなので、僕らは左手の振り子沢にルートを取る。
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斜面にはたくさんのシュプールが刻まれているが、本日は我々二人で独占状態だ。

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せっかくなので、振子沢を登り切った地点から、源頭の斜面を一滑り。日当たりの良い東斜面で雪はすっかり緩んでいて滑り易かった。

登り返して、イワオヌプリの頂上から北側の斜面に行ってみる。
Y野さんは去年滑った狭いルンゼ状に行きたかったようだが、コワイし別のところをと、ルンゼの東側スキーヤーズライトの斜面を見に行く。
ルンゼよりは幅の広い斜面が広がっていて滑り易そうなので、ここを滑降。
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ところが、北斜面でくされ雪になっていないのはいいが、こちらは逆にハードクラスト。エッジのはずれるようなツルツルではないが、エッジをひっかけそうでコワイ。ジャンプターンでなんとか下りる。
一段下りたところから、右に行けば沢状、左に行けば樹林の急斜面という地形になった。Y野さんが先に滑って途中から沢状に入ったので、少し登り返して頭からその沢状を滑る。ところが、ツボ足で登り返して板を履き直すのが、意外に急だし硬いしで冷や汗ものだった。
滑れば滑ったで雪面が硬く、ジャンプターンした山回りがずいぶん落とされる。
途中からは徐々に傾斜が緩くなったが、今度はハードクラストがソフトクラストに変化し、いわゆるモナカ雪の滑りとなった。

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滑って見れば久しぶりに緊張しまくる滑降、去年より決してラクではなかった。

でも面白かったけどね。
帰り道、見返りボウルも雪は悪い。もうゲレンデは滑らずにウッドペッカーズに帰還。二日目、実質的には初日からいきなりピークのような山スキー・ツアーだった。

day3
朝、雪がちらついてはいるものの、新雪何センチという程には積もらない。今日はモイワのゲレンデで修行ということになる。
バーンは硬い。硬いながらもきれいにグルーミングしてあるのと、うっすらと表面を化粧している新雪のおかげで、エッジが引っかからない雪ではない。修行には絶好のバーンコンディションだろう。

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モイワではスキー部の合宿や小さなレースでもよく利用されている。この日も3組ほどがポールをセットしていた。午後には日当たりの斜面では雪が幾分緩んでエッジが効きやすくなった。
とはいえ、硬いバーンのスキーは足に堪える。そろそろパウダーが欲しい。

ウッドペッカーズにはこの日、山岳ガイドのエモト・ユウジ氏引率のフランス人パーティが入る。夕食のテーブルが一緒の関東から来たお二人は、日曜に帰る予定とのことだが、予報からして既に諦めモードである。一週間ニセコでノー・パウダーは確かにきつい。

day4
雪は、、、降らない。
しかし、昼からは雪の予報。新谷さんに、別の4人グループと一緒に隣のアンヌプリ国際スキー場まで送ってもらう。フランスチームは羊蹄山へ早めに出て行った。
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6日もいるのだから一回ぐらいは、とニセコアンヌプリ山頂を目指す。G2ゲートから頂上に登るのは今日は僕らが最初。ガリガリのクラスト斜面にツボ足でステップを切る。つま先しか入らないので、なるべく新雪が吹き溜まりになっている柔らかいところを選んでルートを取る。
久しぶりに北海道らしい気温で手がかじかむ。
ようやく身体が温まってニセコアンヌプリ南峰到着。避難小屋のある北峰とヒラフ側G4ゲートから登る人の列が見えるが、もうここで良いでしょう。
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Y野さんはあわよくば西尾根を下りて見返りボウルへと思っていたようだが、今日の状況ではガリガリは必至。大人しく来た道を戻る。戻り道も当然ガリガリ、滑りを楽しむのは無理。
ゲレンデに戻って、あとはアンヌプリのゲレンデを滑る。麓のレストハウスのロッカーに荷物を置いて、ゴンドラコースを繰り返す。こちらもモイワ同様雪は硬いが、圧雪はきれいで滑り易い。
とはいえ連日のスキー、足には疲れがどんどん蓄積している。ゴンドラ1本ほぼノンストップで滑ると、最後の急斜面ではもうヘロヘロになってくる。

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昼に瓶のサッポロを開けると、なかなか腰が上がらなくなる。
最後にゴンドラ1本滑り、2本目の途中でモイワへの分かれ道に入って、ウッドペッカーズ帰着。
温泉に行く頃からようやく待望の雪が降り出した。

day5
新雪25センチ。朝には一旦止む。
いよいよ待望のパウダー。
なのだが、ちょっと異状が。天気図は南岸と日本海側に低気圧が入るいわゆる二つ玉低気圧だった。通常二つ玉の気圧配置の場合、日本列島を西から東に通過する頃には一つに合体し、それが太平洋側北海道沖で急速に発達して強い西高東低に推移する。ところが今回の場合、南岸の低気圧は抜けたものの日本海の低気圧の動きが遅く、いまだ津軽海峡西方あたりをうろうろしている。昨夜来の雪はこの低気圧に向かって東風が吹き込んで降った雪だ。したがって通常の冬型で降る雪とは逆に、東斜面の雪は吹き飛ばされて積もらず、西側斜面に雪庇や吹き溜まりが出来ている。

さて、ともかくモイワの第一ペアリフトは8時半に動き出す。僕らが行った時には既に稼働を待つ行列が出来ていた。
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普段は空いているモイワスキー場もパウダー・デイには途端にどこからともなく人が集まってくるのだそうだ。ローカルもいれば長期滞在の外国人客もいるのだろうが、皆天気図や天気予報をチェックし、空を眺め、新雪の降り積もるのを心待ちにしていたはずだ。
新谷さんによると、東に面したヒラフは雪が飛ばされ上部のリフトは強風でストップ。モイワはクワッドが動かせれば、なんとかゲートは開けるとのこと。
ゲレンデには圧雪が入りグルーミングされているが、一番のリフトが上がった人々はコース脇や非圧雪ゾーンに突っ込んで行く。僕も吹き溜まりに突っ込んでいくと、かなりパックされた吹き溜まりの重さに足を取られて大コケ。それでも待ちかねた新雪の感触を楽しむ。

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クワッドリフトは9時に稼働開始。オープンしたG6ゲートを通ってモイワボウルへ。
Y野さんが尾根状の急斜面にライン取りするが、南東から南向きの斜面はやはり雪付きが悪く、アイスバーンが露出している。2本目はモイワボウルの東端となっている尾根に入りその西側斜面を狙うと、こちらは新雪が吹きだまっていた。林道(ニセコルールの地図にある雪崩調査観測通路)に出てゲレンデベースに戻る。2本目のリフトに乗っている時にアナウンスが入り、強風のため運転見合わせとなった。

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こればかりは致し方ない。ペアリフトでゲレンデ内のパウダーを探したり、一昨日とは違う圧雪バーンの感触を味わったり。依然東風だが昼からまた雪が降り出した。明日の最終日に期待しよう。

day6
昨日の日中に降っていた雪も夜には止んでしまったようで、積み増しはわずかだった。それでも最終日、午前中勝負なので、8時半のリフトに今日は一番乗り。あまり降らなかったせいか、今日は行列にならない。再びきれいにグルーミングが入ったバーンを3本滑ってクワッドに移動。クワッド1本目はゲートが開いていなかったので、外周コースからコース内の林間へ。2本目にゲートが開いた。

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ビーコンチェッカーの立つゲートを通って外に出る。
今シーズン版の「ニセコ・ルール」のパンフによると、来シーズンからコース外ではヘルメットと雪崩ビーコンが義務化される、と書いてある。もちろんこれは自分の命を守るためだし、シャベルも持ち単独を避けることも必要だろう。
ニセコに来る前に、各地でBCでの事故が相次いだ。これに対するネットでのコメントを見なくてもいいのに見ていると気分が暗くなった。ここ10年、20年の間にBCの人気は上昇し、ニセコを始めとした国内各地の山に海外のゲストが訪れるようになった。本気でパウダーを滑りたい人たちは新しい道具や安全対策を真面目に取り入れている。しかしマスメディアやいわゆるネット・ピープルの意識は相変わらず、いや妙な自己責任論がよけい喧しくなったような気がする。

人々はなぜニセコに集まるのか。
世界のどこよりもフレッシュなパウダーが降るから。
大きなスキー場が連結し、リフトを使って広大なBCエリアを滑降されているから。
海外からの投資が集中し、外国人に受け入れ易いサービスが提供されているから。
そのどれもがイエスだろう。
しかし、僕はそれに加えてもう一つ挙げるなら、ここではBCスキー・スノーボードが当たり前のこととして認知されていることだろう。ここでなら妙な後ろめたさや煩雑な手続きやExtra Feeなしに自然のパウダーを体験することが出来る。
そしてその環境は勝手に出来上がったわけではなくて、新谷さんたちのような人々の長い期間にわたる努力の積み重ねによっているのだ。

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モイワボウル東端を区切る尾根を進みなるべく奥から西斜面に積もった新雪のツリーラン。下地が凸凹の上の新雪はトリッキーだが面白い。同じコースを5本滑って帰りの時間が迫ってきた。

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低気圧はまだ津軽海峡あたりにいるはずだが、今日は穏やかな天気で羊蹄山も良く見える。

ウッドペッカーズに戻って急いで荷造りし、また新谷さんに甘露の森まで送ってもらった。
ウッドペッカーズでは新谷さんや新谷さんの奥さん、スタッフの皆さんにいつも気持ち良く接してもらえた。食事の量が多くて毎日着実に体重が増えて行くのが考えものだが。。
Y野さん、また来年!ですよね。

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#帰りのバスの車窓から。ニセコアンヌプリが最後まで見送ってくれた。

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#以前とはすっかり様変わりしたヒラフ・エリア。様変わりは現在進行形らしく、もちろんいいことばかりではないらしい。気候変動も心配だが、パウダーの聖地がどうなって行くのかもう少し見てみたい。
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